4A基礎講座~講義イメージ~

4段階アルゴリズム(4A)とは、あらゆる法的問題が、法的知識ゼロでも解ける処理手順です。4Aを使えば、法科大学院入試や予備試験はもちろん、司法試験や司法修習さらには実務で直面する問題まで解けますが、ここでは、初心者の皆さんにも4Aの威力を体感していただくため、簡単な事例問題を解いてみましょう。

 

4A基礎講座~講義イメージ~
中村講師:「国が、路上ライブを全面禁止する法律を制定した。この法律は合憲か。」という憲法の問題を解いてみましょう。まず、第1段階:当事者確定です。本問で、ケンカになるのは誰と誰でしょうか?
受講生:ケンカというのは…あまり経験がないので、ちょっと想像が難しいですね。
中村講師:そういうときは、「本問の状況で困る人は誰だろう?困らせている人は誰だろう?」と想像してみてください。
受講生:う~ん…路上ライブを全面禁止されて困る人は、路上ライブをやっていた人とかですね。困らせている人の方は…人じゃなさそうですが、国でしょうか?
中村講師:そう、<路上ライブ人>vs<国>のケンカがメインですね!憲法は、もともと普通の人(私人)が公権力にケンカを売るための武器なので、そのような当事者確定になることが多いんですよ。たまに私人vs私人という私人間適用の問題になることもありますが、本問はそうではないということが確定できました。
受講生:なるほど~次は第2段階:言い分ですね。
中村講師:はい、まずは<路上ライブ人>の立場に立って、<国>にケンカを売ってみてください。
受講生:…路上ライブさせろ~!ロックは自由だ~!!という感じでしょうか?
中村講師:…私も、STORMYHEADSというロックバンドで渋谷ハチ公前で路上ライブをやってましたが、ロックかどうかは分かりませんよ(笑)。ただ、“自由だ~!”という発想はすごくいいです!憲法の人権分野の問題では、“…は自由だ!”という言い分にすると、次の段階が処理しやすくなるので。要するに、<路上ライブ人>は、言い分として“路上ライブの自由”を叫んでいるわけですね。
受講生:へ~先生、見かけによりませんねえ。そうすると、第3段階:法的構成は?
中村講師:ここでは、条文テキストから、ぴったりはまりそうな条文を選んでもらいます。まだ最初ですから、(1) 条の思想及び良心の自由、(2) 21条1項の表現の自由、(3) 22条1項の職業選択の自由の3択にしましょうか。
受講生:え~と…ロックを(1) 「思想」というのは流石に大げさな気がするし、(3) プロになるためにやっているとも限りませんから、(2) 21条1項の表現の自由ですか?
中村講師:すばらしい!消去法的な発想は大事ですよ~。で、路上ライブの自由を21条1項の文言である「表現の自由」の定義にあてはめて確認するのが第4段階です。
受講生:これで終わりですか?
中村講師:いや、まだ<国>側の反論も考えないといけません。まず、第2段階:言い分としては、どのようなものが考えられるでしょうか?
受講生:路上ライブがうるさいとか?
中村講師:そうですね、渋谷ハチ公前のようにもともと騒がしい場所だと、たくさんいる人の邪魔になるとかも考えられますね。で、第3段階:法的構成では、13条後段の「公共の福祉」を使うことになります。これが、私人vs公権力のケンカを処理するための通常パターンである人権パターンの特徴です。
受講生:でも、「幸福追求に対する国民の権利については…最大の尊重を必要とする」と書いてあるから、国は路上ライブという幸福追求についても尊重する必要があるんじゃないですか?
中村講師:すごい!もう自分で第4段階:あてはめができましたね!!確かに、13条後段をそのまま使うとそうなります。しかし、意地悪な読み方をすると、路上ライブの自由・表現の自由といった「幸福追求に対する国民の権利」は、絶対尊重しなくちゃいけないんじゃなくて、「最大」の尊重をすればいいとも読めますよね。これを引っくり返す(これを反対解釈といいます)と、“最小限の制約”はしていいという、よく受験生が答案に書くフレーズが導かれるわけです。
受講生:色んな読み方ができるんですね~これが“条文解釈”!
中村講師:そう、いわゆる論点というのは全て、このような条文解釈なんです。では、本問法律は、果たして“最小限の制約”なのでしょうか?
受講生:“最小限”ねえ…たぶん、全面禁止するのは“最小限の制約”ではないような気がしますが…。
中村講師:うん、“最小限の制約”といっても曖昧なので、これを判断する審査基準を立てるのですが、いずれにせよ、全面禁止は“最小限の制約”ではなさそうですよね。ただ、そのような気がするのはなぜかというと、さっき考えた「うるさいし邪魔!」といった国の言い分、これが本問法律の目的になります。これを実現するには、ボリュームを抑えたり邪魔にならない場所ならOKなのに、全面禁止という手段はやりすぎだと感じるからではないでしょうか。このように、第2段階:言い分で考えたことが、最終的な結論を出す手がかりになったりもするんですね。
受講生:やったー解けた!?
中村講師:ね、法的知識がなくたって解けるでしょう?法といっても、日本語で書いてありますから、その使い方さえ分かれば、誰でも使いこなせるはずなんですよ。ちなみに、上図が答案構成(答案を書く前の下書き)例で、これを答案化するとこうなります。

模範解答例
(国の)本問法律は、路上ライブをやっていた人の路上ライブの自由を制約しているが、違憲ではないか。
まず、上記自由は、歌詞やパフォーマンス等により意見等を外部に伝達する「表現の自由」(21条1項)として憲法上保障される。
としても、「公共の福祉」に基づく最小限の制約に服する(13条後段)。
本問法律は、(1)路上ライブが騒音を出したり通行の邪魔になったりするのを避ける目的で制定されたと思われる。とすると、(2)そのような目的を達成できるボリュームに抑えて、邪魔にならない場所でする路上ライブまで全面禁止するのは、最小限の制約とはいえない。
よって、本問法律は、違憲である。
中村講師:まあ、実際の答案では、“最小限の制約”を判断するための審査基準を調整したりしてさらに得点を稼ぐのですが、それは実際の講義で本格的にやりましょう。とりあえず本問はここまで!
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